2011/10/16

本:黒部の山賊

“黒部の山賊”@三俣山荘きつねうどん

9月のシルバーウィークに行った三俣山荘で買った、「黒部の山賊」

この本、すんごくおもろい。
北アルプス、黒部・立山周辺を歩いた人はぜひ読むべき。

この本は、戦後の混乱の中、三俣山荘のオーナーとなった伊藤正一さんが
当時黒部で“山賊”と恐れられていた猟師たちとの
黒部山中での生活をさまざまなエピソードを交えて綴ったもの。

山小屋を作るための苦労、
山での食生活、訪れる登山者たちとの交流や、
遭難者の救助などの日常?ネタから、
埋蔵金やカッパの目撃説、そしてちょっとオカルトな
山での霊的なエピソードなど非日常なものまでてんこもり。

実際に自分が歩いたルート付近で
何十年も前にカッパがいたのかもしれなかったり、
または今でも埋蔵金が埋まっているのかもしれないと思うと
すごくわくわくしてきて楽しい気分になる。
さらに、ちょっとオカルトな不思議なエピソードもあったと知ると、
怖くて夜とか歩けないなと思ったり。(夜歩かないけど)

遠い地から、数週間前に自分が歩いた道を思い出しながら
かつてその山に生きた人たちに思いを馳せてみる。
その山で、昔昔にどんな人が生活してて
どんな苦労があったのか知るのも、
また違ったの山の楽しみ方だなと思った。



「黒部の山賊 〜アルプスの怪〜」伊藤正一著/実業ノ日本社
※三俣山荘のHPで購入可。
http://kumonodaira.net/goods.html

2011/10/02

はじめてのひとりテントで白馬 その2

2011/8/13~8/15
栂池高原~白馬大池~乗鞍岳~小蓮華山~杓子岳~鑓ヶ岳~鑓温泉~猿倉

14日。
5:30。予定通りの時間に出発。
今日の目標は白馬鑓温泉で、コースタイムだと8時間30分。
しかも間には、小蓮華山、白馬岳、杓子岳、鑓ヶ岳と4つのピーク…。
(実際には杓子は巻ける)
スローハイカーの私にそんな大それたことできるのかしらと
若干の不安はあるもののまずは小蓮華山を目指す。
P8142476

そもそも今回白馬を選んだ理由は、昨年NHKで放送していた
“坂の上の雲”のエンドロールがあまりにきれいなトレイルで、
それが小蓮華~白馬の間だと知ったから。
今日はいよいよその道を歩けるのだ、そりゃテンションはあがるわ。

小蓮華への道はなだらかで、後方、来た道を振り返ると
妙高の先っちょが雲の上に。前方には八方尾根と唐松、鹿島槍が。
見下ろすとまだ朝日に染まった雲海が下界を隠してる。
数年前には考えもしなかった景色を見てる自分に酔いつつ
先を急ぐ。
P8142493
P8142479

なだらかで歩きやすい小蓮華を超え、三国峠を過ぎたら
あっという間に白馬岳頂上に。

前方右(南西)には剣・立山連邦が、前方(南)には
この先のルート、杓子や鑓がクッキリ。
でも青空の向こうにはガスがちらほら出始めている。
すんばらしい眺めに後ろ髪を引かれつつも山頂を後にする。
P8142502
P8142505

10分程度下るとすぐに白馬山荘。
噂通りのキレイさと、とにかく広い建物にビックリ。
しかも剣・立山も真っ正面だし最高のロケーション。
トイレもきっちり水洗で、洗い場のお水も飲料水として飲めるし(しかもうまい)
標高2900とは思えない充実度。
ここなら泊まってみるのもいいかなぁ〜なんつって。
P8142516
白馬山荘

ここからはちょっと長い。
杓子は迷い無く巻き道でいくつもりだけど、日が高くなってきて
気温が上がったせいか、少し疲れが。
出来れば日陰で休みたいと歩いていても日陰なんてあるはずもないので
もってきたgoliteの日傘(GOLITE/CHROME DOME)で日陰をつくって小休止。
GOLITE/CHROME DOME

アブナイ、日傘がなかったらけっこうバテバテでしんどいことになっていた。
やっぱ夏山登山で日傘は必携だな。個人的に。
GOLITE/CHROME DOME

さて、軽くエネルギーもチャージして次の鑓ヶ岳へ。
頂上に着いたのは11:30。
思った通り、もうガスでまったく視界は効かない状況、
やっぱ山は午前中が命ね。

さてここから約3時間で今日のゴール鑓温泉。
なんとか14時までには着けそう。
けっこうつかれも出てきて足ヘロヘロだけど、温泉に入れると思えば頑張れそう。

天狗平への分岐からはけっこう急峻な下りに。
赤茶けたガレた石の下りをひたすら降りる降りる。
もう温泉目指して一直線、走るように下ってたら2時間くらいで鑓温泉到着。
P8142550

途中、雨降ったら危険そうな岩場鎖場が2カ所あったり、
お花畑があったりであっという間の2時間。
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鑓温泉は、テント場があんまり広くない。
たぶん、MAX張れて30くらいとみた。
ただ、風はほとんどなさそうだから自立テントなら
ペグささんなくても石おかなくてもなんの問題もない。
P8142554

しかも地面が固くてペグがまったく刺さらない。
大きな石も見渡す限り見当たらず、
自立しない私のテントは撃沈。
8時間30分のコースを7時間ちょいで歩いてヘロヘロだし
石を探す気力もペグのささる場所を探すのも今日は無理。
こんなときは小屋泊でゆっくり休めってことで。

鑓温泉のお風呂は、基本男性は露天で
女性は囲いありの内風呂。
(19:30〜20:30だけ男女入れ替わる)
なんと、湯量は毎分760リットルという豊富な湯量で
女性風呂のお湯は見る限りとてもきれい。
虫一匹、髪の毛一本も浮いてない。
夕食時間を狙って入ったので、入浴してたのもたった3人。
あまりにきもちよくて20分近く浸かり、おかげで足も肩も疲れがとれたみたい。
標高2100の秘湯をたっぷり堪能できて最高の気分。
鑓温泉いいなぁ。
ぜひまたいつか来たいなぁ。
白馬鑓温泉



15日。
今日はもう下るだけ。

雪渓横切ったり、沢を渡ったり下り始めはけっこう変化があって
楽しい道。
でも、後半はひたすら樹林帯。
下りの時間、3時間40分かかるのに3時間で下れると(なぜか)計算ミスっており、
40分縮めるためにけっこうダッシュ。
最後の最後で気が緩んで足ひっかけてすっころんで
両足&右膝と右頬に負傷したけど
見事猿倉に8:40に着き、2時間40分で下りきった。
よかったぁ〜、これで9:00のバスに間に合う、転び甲斐もあるってもんだわ。

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初めてのテント背負って2泊3日ひとり山旅。
テント設営も食事もペース配分も全てが自己責任な3日間は
なんだかいつもよりあっという間だったかも。
歩くペース、食事のペース、水飲むペース、自分の限界がわかって
自分で人体実験してるような気分だった。
また機会があったらやってみてもいいかもね。
でも、今回みたいに人がたくさんいるコース限定だけど。

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==今回のコースタイム==
【8/13】
6:27 東京駅着 ~新幹線チケット20分待ちで購入。
7:24ー8:49 あさま505 長野行
11:20 栂池高原リフト
12:30 登山口
13:10 天狗原(水場わからず)
14:00 雪田
14:30 乗鞍岳
15:00 白馬大池
16:00 テント設営完了
19:15 夕焼け

【8/14】
4:30 起床
5:30 出発
7:00 小蓮華山
7:45 三国境
8:30 白馬岳山頂
9:00 白馬山荘
10:15 バテる
10:50 杓子沢コル
11:30 白馬鑓ヶ岳
11:50 鑓温泉分岐
12:45 お花畑
13:00 クサリ場
15:00 鑓温泉到着

【8/15】
6:00 出発
6:30 雪渓
8:40 猿倉バスターミナル

【アルピコバス時刻表】
http://www.alpico.co.jp/access/express/nagano_hakuba/
http://www.alpico.co.jp/access/hakuba/sarukura/

はじめてのひとりテントで白馬 その1

2011/8/13~8/15
栂池高原~白馬大池~乗鞍岳~小蓮華山~杓子岳~鑓ヶ岳~鑓温泉~猿倉

P8142498


8月。暇な暇なお盆休み。
人生初のソロテント泊で白馬縦走へ。

今回、装備は水入れて7kg。
相当軽い。
これまでテントはダンナが背負うもの、私は自分の寝袋とマットだけを持てばよかった
わけなんだけれども。
今回はダンナが仕事で来れないため、すべてを自分で背負わなければならない。

うちにはMSRの二人用テント Hubba Hubba HP Tent
があるけれど、グランドシート合わせて重量約1.8kg…。
ただでさえ体力ない私がそんなの背負って2泊3日は絶対無理、
今回は軽さ重視でダンナに借りたLOCUS GEARのテントでいくことに。
(Locus Gear / Khufu CTF3(Cuben) with SilFlap [379g]
 Six Moon Designs / Serenity NetTent [211g])

一人でまともにテント設営もしたことない私が
いきなりシングルウォールのワンポールテント(?)なんて扱えるのだろうか…。
不安はあるものの、まぁ、いざとなったら小屋に駆け込めば
死にはしないでしょ。


前日に思い立ったもんで、もちろん新幹線のチケットなどあるはずもなく、
狙う新幹線の1時間前に東京駅へ。
思った通り、東京駅はお盆休みのまっただ中ということもあり、
みどりの窓口は長蛇の列。
約20分程並んで無事自由席を購入、ホームへいくと1本後の便にも関わらず
既に10人近く並んでる。
待つこと20分、無事窓際席をゲットしてようやく朝食にありつく。

長野駅から栂池高原までアルピコバスで約1時間半。
寝ている間にリフト乗り場に着き、リフト、ゴンドラを乗り継いで
登山口へ。

11時を過ぎていたこともあり、ひと組父・息子ペアがいただけで
周りに登山者らしき人はほとんどなし。
この日の天気予報は「雷雨」。
歩くのは白馬大池までの約3時間半と短距離ながらも
ソロだし雷雨は食らいたくないので
何としても15時前にはテン場に着きたい。

さすが人気の白馬ルート、傾斜といい、広さといい、
すごく歩きやすい。
P8132380
P8132384

けど、暑さだけはどうにもならず、
水場があるからいいやと水をガブ飲みするも、
天狗原周辺にあるはずの水場はわからずで、1リットルきっちり飲みきったころ、
念願の白馬大池登場。
P8132407

15時、予定通りと言えばそうなんだけど、
テン場は既に人でいっぱい。
50張くらいはイケそうな広さ、平地だし。
P8132435

30分くらいかけてなんとか張り、(かなりたるんじゃってるけど)
雨もなんとか持ちそうなのでようやくビールで一服。
P8132433
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そういえば、このルート、地図上では2カ所(栂池高原のすぐ上と天狗原付近)
に水場があるらしいんだけど、全く発見できず…。
分かりづらい場所にあったのか、枯れていたのか不明だわ。
まぁ、ぎりぎり足りたからいいか…。

白馬大池、こんな山奥にある池なんて
相当澱んでるんじゃね?と思っていたのだけど、
かなりキレイ!
藻もほとんどないし、噂に寄ると、サンショウウオも生息してるらしい!
残念ながら私は会えなかったけれども。
P8132422

どうやら今宵は満月らしく、池の上にぽっかりうかぶ満月と
入道雲、という珍しい光景も目にすることができて
この世のものとは思えない美しさ。
これだから山はやめられない。
P8132451

翌日はコースタイム8時間50分の長丁場。
お隣のファミリー5人連れが、息子が屁をこいたのなんだので
大騒ぎしててイラつくけども、今日は早く寝て明日に備える。


==今回のコースタイム==
【8/13】
6:27 東京駅着 ~新幹線チケット20分待ちで購入。
7:24ー8:49 あさま505 長野行
11:20 栂池高原リフト
12:30 登山口
13:10 天狗原(水場わからず)
14:00 雪田
14:30 乗鞍岳
15:00 白馬大池
16:00 テント設営完了
19:15 夕焼け

【8/14】
4:30 起床
5:30 出発
7:00 小蓮華山
7:45 三国境
8:30 白馬岳山頂
9:00 白馬山荘
10:15 バテる
10:50 杓子沢コル
11:30 白馬鑓ヶ岳
11:50 鑓温泉分岐
12:45 お花畑
13:00 クサリ場
15:00 鑓温泉到着

【8/15】
6:00 出発
6:30 雪渓
8:40 猿倉バスターミナル

【アルピコバス時刻表】
http://www.alpico.co.jp/access/express/nagano_hakuba/
http://www.alpico.co.jp/access/hakuba/sarukura/